男女差別の色濃い時代に女性だけの隊でエベレスト登頂に成功した登山家・田部井淳子氏。彼女がどのように山に魅入られ生き抜いたのか―
直木賞作家・唯川恵が、女性として世界で初めてエベレスト登頂に成功した田部井淳子さんをモデルに書き上げた、感動の長篇小説。
好きなこと、やりたいことを見つけてどんなに苦しくても諦めずに小さくても一歩一歩、足を運べば、必ず夢は叶う。山を愛し、家族を愛し、人生を愛した淳子の生き方は、すべての女性の背中を優しく押してくれます。
2017年9月16日のTBSテレビ「王様のブランチ」のBOOKコーナーで「淳子のてっぺん」が取り上げられました。
重版も早々に決まりさらに読者を増やしていく本になってほしいです。
幻冬舎の文芸誌、小説幻冬VOL.12(2017年10月27日発行)に淳子のてっぺんの特集が掲載されています。
小説幻冬では、珍しい試みですが、表紙も淳子のてっぺんをイメージできる仕様となっております。
著者の唯川さん、担当編集者の菊池さんは今回この本を執筆、刊行するにあたりご自身も限界への挑戦として17日間かけてエベレスト街道を歩いたそうです。
唯川さんに訊く、トレッキングの思い出と田部井淳子氏の話が10ページにわたり掲載されています。
今回、装画を担当していただいたのはダニーさん。エベレストを目の前にした淳子、そして山々の壮大さや凛としたはつりつめた空気感と丁寧な筆致で描き込んでもらいました。
(A)の風景の人物を拡大した(B)のイラストは、小さな人物までもが細かく描き込んでいることがわかります。
細部まで手を入れる緻密さはダニーさんの得意とする表現だと思います。
著者・唯川恵さん、担当編集者・菊池朱雅子さん、イラストレーターのダニーさんにコメントをいただきました。
唯川恵さん(著者)コメント
いつか、実在の女性の人生を小説という形で書いてみたいと思っていました。様々なご縁が繋がって、田部井淳子さんと出会いましたが、今になってみると「田部井淳子を書く」ということは、ずっと前から決まっていたことのような気がします。物語の中の「田名部淳子」には、田部井さんと唯川が、半分ずつ入っています。そんな淳子が、一歩一歩足を進めて辿り着いた「てっぺん」からの景色が、読者のみなさんに届くことを願っています。
菊地朱雅子さん(幻冬舎・担当編集者)コメント
モデルである田部井淳子さんには、軽井沢で唯川さんと一緒にお食事をさせていただきました。2014年のことで、すでに癌の闘病中だったのですが、元気に召し上がり、とても明るく楽しくお話ししてくださり、初対面のわたしにも気さくに声をかけてくださいました。田部井さんは去年の10月にお亡くなりになり、残念ながら淳子がエベレストに立つところを読んでいただくことは叶いませんでした。でも、唯川さんの描いた「てっぺん」を、そうそう、この景色ね、とエベレストより高いところから喜んでくださっていると思います。
ダニーさん(装画)コメント
先日父と話していたら、5年ほど前に父の所属していた山岳部OBの人たちと谷川岳に行ったときに、どうも田部井淳子さんに会っていたようです。
父が気づいて、「田部井さんですか?」ときいたら、にっこりと「そうですよ」と、そのあと少し話をしていたそうで。
田部井さんのことも何も知らなかった当時の私に伝えたいですね。父がまさに田部井さん時代の人間で、田部井さんがエベレストに行った次の年に、カラコルム山脈のシェルピカンリ7380mに(神戸)大学山岳部の遠征メンバーの1人として登頂したそうです。そのあとは父は普通のサラリーマンとして働いていました。写真を見ながら話をたくさんしてくれましたが、想像できない分リアルに感じることができなくて(笑)。当時の、海外の山を登るしんどさというのを今の私と同じ年齢の時にエベレストに登った田部井さんの話を通じて感じることができた気がします。
松 昭教(bookwall代表)コメント
悩んでいても仕方がない、正解か不正解かなんてわからない。言い訳なんていらない。とにかく自分が動き出すことで、自分も周りも変えられるかもしれない。
一歩踏み出すだけで、夢に近づくことを教えてくれる作品です。その一歩が難しいと思う人や、勇気がいると感じている人にこそ読んでもらいたい作品です。
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