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発売前からAmazon売れ筋ランキングで18週連続1位。
発売前重版30万部が決定した、話題の書籍、百田尚樹著、日本国紀を紹介。
現在45万部発行!
デザイナーがどのような思いでこの本に挑んだのかを解説していきます。

デザインへの模索

純真無垢で特別な存在、神聖な色ともされる「白」を使い、タイトルをいかに目立たせることができるかを意識しました。
品と重厚感のバランスが難しいと感じたデザインです。
どのデザインが相応しいか、模索の片鱗がこの画像にはありますね。
この画像以外にも、さらに多くのラフが存在しています。
 

凛とした格調高い書体を力強く堂々と

タイトルの元にした書体「グレコ」は、筆文字の流れるような美しさが表現された格調高い書体です。
打ち文字でも大変読みやすく綺麗な書体ですが、タイトルに使用するにあたり実は様々な変遷がありました。
文字は単体で見た時と、他の文字との組み合わせで見た時と、前後の文字によって見え方が大きく変化します。
今回はAの段階で一番大きい「本」のサイズを基準に調整をかけていきました。
並べてみるとAよりもBの方が、全体のバランスが取れて堂々とした印象がでるようにしました。
ただ並べて見る状態と、書籍の限られたスペースでの見え方が違ってくるので、最後はさらに調整をしていきます。
 
 
「本」を基準に合わせて両者を重ねてみると、大きさはもちろん、筆の流れを強調させたり、細かい部分も変化していることがわかります。
タイトルは「読む」と同時に「魅せる」ものなので、細部まで手をかけていきます。
さらに今回は黒箔を使用しているのでタイトルを強く打ち出すと同時に、他の本と並んだ時にも目を引く状態になっています。
 
 

手触りや見返しからも物語の雰囲気を作り出す

〈カバー〉
カバーは質感のある「ハンマートーンGA」を使用。
打ちつけ模様の凹凸感が、手に取った時に重厚で力強さを感じさせてくれます。
 
 
表紙はカバーを外しても重厚さが失われないような「クロコGA」を使用しています。
通常はこれはクロコという名の通りワニの皮を意識して作られていると思われますが、さざれ石、小さな石の集合体にも見えることから、そのイメージをここに取り入れました。また高級感も雰囲気を醸し出してくれるのもこの用紙の魅力です。
 
見返しには「キャピタルラップ」を使用しました。片面がつやっと、もう片面はさらっと手触りに違いがあります。
糊付側では寒冷紗が透けて本の作りが覗き、化粧扉の「日本国紀」の文字が透けて、霧がかかったように見えます。
この本を読了した時にこの霧が晴れてくれるのでしょうか? 
読む前に期待感がふくらみます。
 
〈帯〉
帯には「ファーストヴィンテージ」を使用。
白を引き立たせることを考えつつ、カバーとの差を出しながらも本全体の印象は崩さないよう、白を際立たせる色見のトーンに注意しながら紙を選んでいます。
今回は帯にも黒箔でタイトルが印刷しました。
箔押してないのと比べてみると見え方が違い、黒がまるで漆を塗った状態のようにツヤもでています。
 
〈花切れ、スピン〉
赤を入れることで、白をさらに引き立たせ、華やかさを演出しています。
白色をさらに引き立たせて見せるかを考えた遊び心がここにはあります。
 
ぜひ書店でお手に取ってみてください。

幻冬舎 日本国紀:作品紹介ページ