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走れ、健次郎
著者名:菊池幸見、装画:加藤木麻莉
出版社:祥伝社
盛岡初の国際マラソン大会に注目が集まっていた。
謎のランナーがスタートからコースの沿道を、トップ集団とともに走っているのだ。
テレビの視聴者は無邪気に彼の快走を囃すが、大会を無事成功させたい関係者や実況、参加ランナーは戸惑いを隠せない。
どうして彼は、まったく報われることのない走りを続けているのか。
だがやがて、男の真剣な姿が周りの心を動かし始め――。
こんぴら狗
著者名:今井恭子、装画:いぬんこ
出版社:くもん出版
飼い主・弥生の病気が治るようお祈りするため、ムツキは、江戸から讃岐の金毘羅さんまでお参りに出された。
京都までは、知り合いのご隠居さんと一緒に旅ができるはずだったが……。
ムツキの、往復340里(約1340Km)にもおよぶ旅路と、道中での出会いや別れをえがく。
「こんぴら狗」というかつて実在した風習をもとにした、江戸時代の歴史物語。
二千七百の夏と冬 上
著者名:荻原浩、装画:影山徹
出版社:双葉社
ダム工事の現場で、縄文人男性と弥生人女性の人骨が発見された。
二体はしっかりと手を重ね、互いに向き合った姿であった。
三千年近く前、この男女にいったいどんなドラマがあったのか?
新聞記者の佐藤香椰は次第に謎にのめりこんでいく――。
紀元前七世紀、東日本。
谷の村に住むウルクは十五歳。野に獣を追い、木の実を集め、天の神に感謝を捧げる日々を送っている。
近頃ピナイは、海渡りたちがもたらしたという神の実”コーミー”の噂でもちきりだ。
だが同時にそれは「災いを招く」とささやかれていもいた。
そんなある日、ウルクは足を踏み入れた禁忌の南の森でカヒィという名の不思議な少女と出会う。
二千七百の夏と冬 下
著者名:荻原浩、装画:影山徹
出版社:双葉社
”コーミー”は暮らしを豊かにする神の実か、それとも災いの種なのか。
禁忌の南の森に入ったウルクのピナイ追放が決まった。
だが裏ではコーミーを手に入れてくれば帰還を許すという条件がつけられる。
初めて目にする村の外、ウルクは世界の大きさを知る。
しかし、そんな彼を執拗につけ狙う存在がいた。
金色の陽の獣・キンクムゥ。
圧倒的な力と巨軀を持つ獰猛な獣に追い詰められたウルクは、ついに戦いを決意する――。
一方、新聞記者の佐藤香椰は、死してなお離れない二体から、ある大切な人を思い出していた。
第5回山田風太郎賞受賞作。
討魔戦記 楽土
著者名:芝村凉也、装画:フジワラヨウコウ
出版社:祥伝社
僧侶天蓋に引き取られた少年一亮には特殊な能力があった。
人が鬼と化す兆候を察知できるのだ。
一亮の感覚に導かれて訪れた麻布桜田町で、天蓋率いる「討魔衆」の小組は新たな鬼と闘う。
同じ頃、南町の臨時廻り同心小磯も現場に急行していた。
敏腕同心に存在を気取られかけた天蓋らは姿をくらまし奥州へ。
北の大地では、飢饉に喘ぐ民が「涅槃の村」に縋っていた……。
祝葬
著者名:久坂部 羊、装画:チカツタケオ
出版社:講談社
「もし、君が僕の葬式に来てくれるようなことになったら、そのときは僕を祝福してくれ」
自分の死を暗示するような謎の言葉を遺し、37歳の若さで死んだ医師・土岐佑介。
代々信州を地盤とする医師家系に生まれた佑介は、生前に不思議なことを語っていた。
医師である自分たち一族には「早死にの呪い」がかけられているというー
簡単に死ねなくなる時代につきつけられる、私たちの物語。
ロバのサイン会
著者名:吉野万里子、装画:祖敷大輔
出版社:光文社
わたしはタレント猫のリリアン。
一発OKカットだって簡単にできるわよ。
それでも幾つかNGを出してるのは、編集のときに、そういう映像が意外とうまくはまるって知ってるからなの。
人間が思ってるよりも、いろいろと考えてるものなのよ。
(「女優のプライド」)
人生の山あり谷ありを、動物たちが優しく、時に厳しく見つめた八つの物語。
むかえびと
著者名:藤岡陽子、装画:丹地陽子
出版社:実業之日本社
小さく、か弱い命を守るため奔走する助産師たちを描く!
有田美歩はキャリア六年目の助産師。
勤務先の産婦人科病院は経営方針にやや問題を抱えているが、この仕事に誇りを持つ先輩や同僚、腕利き医師の存在に支えられ、命に寄り添う仕事に臨んでいる。
飛び込み出産、新生児連れ去り、産婦の緊急搬送……一分一秒を争う命の現場で働く「むかえびと」の姿をリアルに描く渾身の医療小説。
(『闇から届く声』改題)
解説/三浦天紗子
吉原花魁事件帖 青楼の華
著者名:有馬美季子、装画:山本祥子
出版社:PHP研究所
夢も現も紙一重。ならば今宵は覚めぬ夢を。ここは吉原、幻の城――。花魁道中の最中に矢で狙われたのは、花魁かそれとも客か。得手の三味線を乱した芸者が文に託した真意とは。叶わぬ思いに自害を図った遊女の”想い人”の正体。吉原と島原を表す料理とは一体・・・・・・。吉原随一の花魁となった華舞が、欲望と嫉妬が渦巻く世界で、不可解な謎を艶やかに解き明かしていく連作短篇時代小説。
ぼくがきみを殺すまで
著者名:あさのあつこ、装画:桑原紗織
出版社:朝日新聞出版
月が満ちることのない地ベル・エイドのLは、敵方ハラの捕虜となっていた。
Lは敵兵に語り聞かせる、ハラの友人ファルドと過ごした森と草原の日々のことを……。
学校は閉鎖され、家族を喪くし、少年は兵士になった。
素朴で満ち足りた暮らしが大きなものに覆されていく。
そのさまをつぶさに苛烈に描き、話題を呼んだ朝日新聞連載の表題作。
対となる中編「Kの欠片」を加えて編む。
児童文学の名手あさのあつこだから描けた戦争の物語
明治・妖モダン
著者名:畠中恵、装画:丹地陽子
出版社:朝日新聞出版
モダン銀座に佇むオンボロ派出所に勤める原田と滝の元には不思議な厄介事ばかり持ち込まれて…。
ゾクゾク妖怪ファンタジー。「しゃばけ」リシーズ著者の新シリーズ第一弾です。
水葬の迷宮 警視庁特捜7
著者名:麻見和史
出版社:新潮社
ベテラン警官が拳銃を奪われ、両腕を切られた姿で発見された。
遺体損壊の謎を追い、特別捜査班の岬怜司は、似顔絵をメモ代わりにする里中宏美とコンビを組む。
連続する銃撃事件、現場に残された不可解な数字。
浮上する過去の未解決事件と闇に消えた男とは……。
つながる点と線、迷宮の核心、そしてクライマックスは東京駅へ!
緻密な伏線が冴える、本格捜査ミステリー。
緑の窓口 樹木トラブル解決します
著者名:下村敦史、装画:カタヒラシュンシ
出版社:講談社
新設された「緑の窓口」は市民の樹木トラブルを解決する部署だった。
異動してきた天野は花粉症で樹木嫌いの岩波とともに依頼先へ。
しかしそこにはスギを愛でる清楚美人な先客がいて…。
プラージュ(文庫)
著者名:誉田哲也
出版社:幻冬舎
あるシェアハウスに住む、厄介者たちの物語。 悪と正義、法と社会、加害者と被害者…。
読む者の常識や既成概念を揺るがす、新たなエンターテイメント小説。
たった一度、魔が差した結果、仕事も住む場所も失ったサラリーマンの貴生。
やっと見つけたシェアハウス「プラージュ」で、人生やり直す決意をするも個性豊かな住人の面々に驚かされることばかりの毎日。
さらに、一人の女性住人にあることを耳打ちされて……。
住人たちのそれぞれの秘密が明かされる時、新たな事件が起きる。
本懐に候
著者名:山本音也、装画:深津真也
出版社:小学館
現代でも非常に人気がある「新選組」において、あまり多くを語られていない最後の隊長・相馬主計と隊士・安富才助にスポットをあて、
その波乱万丈の人生を重厚かつ繊細な筆致で描き出しています。
戦いで死ぬことができなかった男が抱える葛藤や、不器用なまでの生き様は、時代小説好きの読者ならずとも強く惹きつけられるはずです。
画狂基一
著者名:梓澤要、装画:鈴木基一
出版社:NHK出版
【本書に登場する主な絵画】
「波図屛風」酒井抱一 画
夜闇に荒れ狂う波濤を銀地に墨一色で一気呵成に描いた六曲一双屛風。
その勢いに基一は圧倒される。
静嘉堂文庫蔵
「夏秋草図屏風」酒井抱一 画
尾形光琳の「風神雷神図屏風」の裏面に描かれた作品。
古色を加えられた銀地に、驟雨に打たれた夏草、紅葉にそまった蔦の葉を配した二曲一双屛風。
基一も制作に参加。
東京国立博物館蔵
「夏秋渓流図屏風」鈴木基一 画
檜の林立する森に新鮮な渓流が流れ落ちるさまを描いた六曲一双屛風。
厚塗りされた苔の緑青、渓流の群青が現代絵画にも通じるシュールな雰囲気を醸し出している。
抱一没後、自身の作風を創出すべく悩み抜いた末に行きついた基一絵画の極致。
根津美術館蔵
「朝顔図屏風」鈴木基一 画
本来は支柱に絡まる蔓が空を掴み、空中に浮かぶように配された朝顔が観る者を画面に引き込む。
百五十を超える朝顔の息吹が独特の生命力を醸し出す。
海外で一躍江戸琳派の名を上げた最高峰。
六曲一双屛風。
メトロポリタン美術館蔵
今からあなたを脅迫します 白と黒の交差点
著者名:藤石波矢、装画:スカイエマ
出版社:講談社
この悪人を、あなたもきっと好きになる。
シリーズ第3弾はやくも登場!
「わ、私は脅迫屋の仲間ではありません!」ごく普通の女子大生……のはず。
なのに、ひょんなことから脅迫屋・千川、無愛想な泥棒・目黒、ギャルハッカー・栃乙女たちと知り合い、彼らの悪事を止めるため奔走することに。
結婚詐欺師の息子、親友を脅迫してほしい脚本家、千川が追う組織へとつながる男。
事件に首を突っ込むうちに、お人よしお嬢様は脅迫屋一味へ引き込まれ!?
たとえ明日、世界が滅びても 今日、僕はリンゴの木を植える
著者名:瀧森古都
出版社:SBクリエイティブ
誰もが抱える後悔、消せない過去、見えない未来、いびつな感情をむき出しにしながら、若い二人は生きる上で最も大切なことに気づかされていくミステリアスな感動ストーリー。
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テレビの視聴者は無邪気に彼の快走を囃すが、大会を無事成功させたい関係者や実況、参加ランナーは戸惑いを隠せない。
どうして彼は、まったく報われることのない走りを続けているのか。
だがやがて、男の真剣な姿が周りの心を動かし始め――。